魔女の宅急便でキキが魔法を使えないで飛べなくなったのはなぜ?ジジが喋れなくなった理由を原作を踏まえて考察

映画

ジブリ映画の中でも、未だに根強い人気があり、2022年4月にはまた地上波で再放送されます。

魔女の宅急便は、ジブリ映画の中でも珍しく、女の子の思春期をテーマに描いた作品になります。

非常に思春期の女の子を、ファンタジーな表現で描いているので、大人になって見るとまた違った一面が見えてくるので、何回見ても楽しめる作品です。

今回はそんな魔女の宅急便の未だにイマイチ分からないところを、深掘りしていきたいと思います。

宮崎駿さんの見解も踏まえてキキの魔法が弱くなった理由を考察

まずはキキの魔法が急に弱くなる、魔法のスランプ状態ですね。作中では、何故弱くなったかはあえて説明などはないです。もちろん原作の方でもしっかりした説明は無いです。

これは、見た人でいろいろな捉え方があるので、はっきりした原因はわかりませんが、宮崎駿監督のコメントなどその他にもいろいろ調べてみました。

その中で、私の感想なども踏まえて説明していこうと思います。

キキがトンボ恋をしたから

まず1つ目の理由は、キキがトンボに恋をしたからだと考えます。

ちょうど母からもらった箒でうまく飛べなくなったのは、トンボと出会った時期に重なります。

トンボと一緒に飛行船を眺めるシーンのときに、キキは明らかにトンボに好意を抱いているのがわかりましたよね。この時キキは生まれて初めての恋という今まで経験したことのない心になっていったのです。

その後も異性にチヤホヤされるトンボに対して嫉妬をしてしまい、イライラしているキキが描かれるなどがありました。

こういった理由から、キキが魔法を使えなくなるきっかけは“恋”と想像する人も多いのではないでしょうか。

キキが思春期で心も体も成長したから

先程の恋と同じように、13歳の女の子と言えば一番の思春期真っ只中になります。

トンボとの恋ももちろんキキの魔法に影響はありますが、13歳の満月の日に全く知らない街に修行に出て、全く知らない人々と触れ合うので、キキも大人になっていくのです。

キキの母親はすごい魔法の持ち主ですが、その母親ですら心の乱れがあると魔法に失敗するのです。

それくらいこの物語の魔法は、心に非常に影響することがわかります。

そして13歳の思春期に、恋もして、宅急便という仕事でいろいろな人と接したり、人間関係にちょっとしたトラブルなどが重なった結果、キキは大人になってゆく成長過程で 心が複雑に揺れ動き、魔法を無意識に使えていたのが、うまく使えなくなったと考えます。

宮崎駿監督もこのようにコメントしております。『単純に喧嘩したから 魔法が使えなくなったわけではなく 女の子特有の昨日できたものが今日できなくなる現象』と述べています

このように、思春期をテーマにした作品なので、いろいろな見方が出来ますが、『心の乱れは誰にでもこの年頃には当たり前に起こる事』って言うのを宮崎駿監督は作中で伝えたかったのでは無いかと思います。

私が子供の頃に見たときと、今見た時のこの映画の見方が全く変わりますよね。子供の頃は、魔法が使えなくなったのは、トンボに恋とかしたからこうなったんだろうな~くらいしか考えられなかったけど、大人になってまたみると思春期の微妙な気持ちなどを非常にうまく描いてると思って、少しまた感動してしまいます。

ジジが喋れなくなったのは

次にジジが急に喋れなくなったところも何故??ってなりましたよね。これも世間ではいろいろな説があります。

ここの理由もやはり、キキの成長などが絡んではくると思います。これも非常にうまく描いていると思いましたので、ぜひこれを読んでまた魔女の宅急便を見てもらえば、また今までとは変わった感じで見れると思います。

ジジにも彼女が出来たから

原作では、ジジは最初から最後までしっかり人間の言葉を話しています。なのでこれは完全に宮崎駿監督が考えたオリジナルになるのです。

キキの魔法が弱まるだけではなく、ジジにも変化をだしていくところがまた考えさせられるところになりますよね。

ジジの白猫の彼女(リリー)が登場してくらいからちょうどジジが喋れなくなったので、世間ではジジに彼女ができて、人間ではなく、自分なりの猫の世界を作っていこうと決めたので、人間の言葉を喋れなくなったと言われています。

しかしこの説は違うと思います。この作品の趣旨に全然合って無いからです。この作品は13歳の女の子の成長と、思春期の問題を描いた作品になります。

なので猫の恋は思春期とはあまり関係が無いのです。なのでこの理由も恐らくですが、キキにあると考えて間違いないと思います。

ジジが喋らなくなった理由を宮崎駿監督のコメントを踏まえて

ジジが急に喋らなくなった理由もやはり、キキの気持ちにあると思います。

作中では、何を聞いても「ニャー」としか言わないジジに、キキは大慌てで 「ジジ!あんた言葉どうしちゃったの?『キキ』って言ってごらん!」って言ってますよね。

本当に急に喋らなくなったので、何故?ってなりました。

この理由を宮崎駿監督は、『ジジの声はもともとキキ自身の声で、キキが成長したためジジの声が必要なくなった。 変わったのはジジではなくキキ。』

これを聞いてなるほどと思いました。なのでジジとの会話は、キキとキキの心の中で会話していたことになります。

キキは1人知らない街に来て、不安でいっぱいのときに頼る相手はジジしかいませんでした。

その寂しさをジジで埋めていた、ということになります。

これは私達で言うと、親離れですよね。中学くらいになると恋したり、仲の良い友達が出来たりして、親からドンドン気づかないうちに離れて行きますよね。そして親の力を借りなくても、自分の考えや、友人、恋人といろんな事を考えて行動する!

この表現を、ジジが喋らなくなったとしていたんだと思います。

じゃあキキは最初から喋れなかったと言う事になるので、なんか寂しいって気持ちもあるかと思いますが、子供から大人になった証拠なので、そんなに寂しがる事は無いような気もします。

ジジの最後の言葉の意味

作中の最後で、トンボを助けたキキの方にジジが乗って寄り添うシーンがありましたね。

そして最後にジジが『ニャー』と可愛く言って、涙ながらにキキがほほに引き寄せます。

この最後のニャーはなにかすごく感動しました。

そして世間では、このニャーは、『僕のこと忘れないでねって』言ったとか、『キキカッコよかった』よとか、『おめでとう』とか言われています。

ジジの言葉はキキの心の声なのでどっちにしても何と言ったかははっきりしませんが、私はこの説が一番しっくりきたのが『よく頑張ったね、あとは自分の力で進みなさい』です。

しかしこれだと、もうキキとジジはお別れみたいな感じで悲しいですけど、ここからは原作ですが、キキとジジはこの先もずっと一緒にいたようです。

原作はキキが35歳までが描かれていますが、そのときもしっかりジジは魔女猫のままでした。

そして、ジジは結婚もして、子猫が18匹もいるお父さん猫になっていました。

アニメでは、最後お別れしたんじゃないかと思わせるような感じでしたが、しっかりハッピーに原作はなっているので、悲しい結末じゃなくて本当に良かったです。

まとめ

今回は魔女の宅急便に関して深掘りしました。

本当に今と昔で見方がこんなに違う作品もなかなか珍しいなと思います。

思春期の気持ちを、あのように表現するのは、ジブリ映画しかないと思います。

子供の頃魔女の宅急便を見たときは、単純に魔法使いの女の子とかわいい猫の物語として観ていたのですが、大人になるとキキの恋や戸惑いや苛立ちに、過去の自分を重ねて見る事ができるようになります。

今度また地上波で放送されるので、子供一緒に見て、喋れなくなった理由などをわかりやすく話せたらいいな~~て思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

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