ゴールデンカムイに出てくる『尾形』
階級は上等兵で鶴見一派の第七師団に属しながら、一方で中央政府のスパイである。
作中では鶴見派から始まり土方派そして杉元派とすべてうまく立ち回る様子も見られた為、兵士達からはコウモリ野郎と揶揄される事もあった。
今回はそんな尾形の数々の裏切りの理由、そして裏切った末の目的は何だったのか?
最後の死亡なども踏まえて解説していきます。
ゴールデンカムイ:尾形の裏切り理由を解説!
尾形は物語序盤にまず鶴見一派であったのだが、その後造反者として追われる立場になった。
色々な派閥に所属しながらもどこか怪しげな信用できない雰囲気を醸し出していました。
ここでは尾形の数々の裏切り、そして両親、弟を殺害した理由などについて解説していきます。
両親を殺害した理由
【小ネタ】尾形、花沢幸次郎に爵位があるなら花沢百之助男爵になる可能性があるらしいよ https://t.co/pLMA6RhIcw #ゴールデンカムイ #金カム pic.twitter.com/MztLfJymkQ
— ゴールデンカムイまとめ (@gk_matome) December 17, 2020
尾形が現在のような残忍な人物になったのは、過去の生い立ちがとても影響していると言えるでしょう。
尾形の父親は元第七師団長の『花沢幸次郎中将』で、母親は浅草の芸者だった。
花沢中将は本妻との間にも『花沢勇作』という1人息子がおり、勇作はとても愛を注がれて育った。
それとは正反対の尾形は全く愛を注がれず、母親と祖母の3人で暮らしていましたが、勇作が生まれてから全く顔をだすことも無く、芸者の息子である尾形を疎ましく感じていた。
母親は次第に頭がおかしくなっていき、父親である花沢中将が好きだったあんこう鍋を毎日のように作る日々が続き、絶対に来るはずの無い花沢中将の帰りを日々待っていたのです。
ある日まだ幼い尾形はあんこう鍋に殺鼠剤を入れ母親を殺害した。
理由は「少しでも母に対する愛情が残っていれば父上は葬式に来てくれるだろう」と考え母親を殺害したのです。
しかし父親である花沢幸次郎は葬式にはまったく来ませんでした。
尾形は大人になり入隊し後に、鶴見中尉の提案もあり父親である花沢幸次郎も殺害したのです。
鶴見は自分が師団長になりたいのと、満鉄の計画の邪魔になると判断し言葉巧みに尾形を唆し、父親殺害に至った。
義理の弟勇作を殺害した理由
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— 猫 (@yamaneko_kamuy) July 15, 2022
尾形は義理の弟である勇作にはじめて出会った時面を食らったと語っています。義理の兄にあたる尾形の事を『兄様』と呼び本当の兄のように慕ってきました。
両親から祝福されて生まれた子供はこんなにも明るく屈託のない笑顔が出来るのかと驚きもあったのだが、それと同時に嫉妬のような感覚も生まれたような表情だった。
両親からの愛を受けていない自分を否定されたような感覚に陥ったのです。
尾形はこの頃から愛について執着し始めたのでは無いかと考えます。両親から愛されず祝福もされなかったから俺は人を殺しても何の罪悪感もないのか?
それとも人を殺して罪悪感が無いのは生まれながらの素質で生まれや愛などは関係ないのか?
それを確かめるためには親から愛されないと分からないという結果になった。父親から愛されるには勇作を殺害すれば一度捨てた尾形への愛に目覚めるはずという理由で勇作を殺害したのです。
しかし結果は父親である花沢中将は見向きもしなかった。
父親と母親を殺害しても何の罪悪感もなかった尾形ですが、流石に清いままに殺害した勇作に対しては罪悪感はあったのでしょう。いつも夢に出てきたり、亡霊をみたりと苦しめられる描写が多々ありました。
しかしこの罪悪感を認めてしまうと自分が今まで行ってきた行動をすべて否定する事になるので、認めずに進んでいったのでしょう。
鶴見中尉を裏切った理由
#ゴールデンカムイ
29話
CV梅ちゃんの新キャラ登場
鶴見軍曹の根回し怖いな。尾形がとにかくかっこいい。
前回剣がすり替わっていたの同様、銃を交換したのにも意味があったのねスナイパー同士の心の読み合い好き。露の狙撃手が狙っているのはライフルと毛布で尾形は別の場所から撃ってくると思うな pic.twitter.com/8HAz1BLR8j
— かなめ🥞 (@kaname_top) November 4, 2020
尾形は元は鶴見率いる第七師団の上等兵だった。しかし彼は鶴見一派に対して造反者になります。
これは尾形が鶴見中尉を完全に見限っていたからです。
鶴見が父親の殺害を唆した時から、尾形は鶴見を見限っていたような描写があります。
尾形が父親を殺害し鶴見に報告に言った時、いつものように尾形を持ち上げ褒め称えた後に、尾形は心のなかで「たらし」めが・・・と言っていました。
この時から尾形は鶴見を「うまい言葉で人をだまして、たぶらかす」信用できな人間と思っていたのでしょう。
そして尾形はいつからかは不明ですが、鶴見を警戒していた『中央政府』のスパイでもあった。
しかし尾形はスパイとしてではなく、個人的感情で鶴見に造反していたのです。
鶴見の得意技として、愛を語るだけ語ってそして愛さない。使い潰して切り捨てれば良いという残忍な考えに失望していたのです。要するに部下はただの『駒』
部下の中には自分が駒だとわかっていながら鶴見の圧倒的な頭の切れとカリスマで虜になっている者もいます。
作中ではハッキリとした言葉は無いですが、尾形はただ鶴見中尉に愛されたかっただけだったと思います。
その証拠の物語最終では「キョロキョロよそ見するからでしょうが!」と鶴見に言い放ってました。
鶴見の部下である鯉登、月島、宇佐美などに愛を語る姿をみて嫉妬のようなものがあったのしょう。
人一倍愛に飢えていた尾形には色々な部下を大事にして駒にする鶴見の姿が許せなかったのだと思います。
杉元を裏切った理由
ゴールデンカムイ、杉元が脳天撃たれたシーンが作中一番の山場だと思っていたけれど、ここに来て一番の盛り上がりを見せてきてる。あそこから一年で良くここまで。来週がたぶんこのマンガ一番の腕の見せ所になりそう。辺見先生がんばれー pic.twitter.com/6vlOKQGYmy
— Fもと (@potemkin5963) January 24, 2019
尾形は網走でのっぺら坊ことウイルクとアリシパを面会させる計画時に、杉元も裏切ったのです。
本当に何度裏切れば良いのか。。
尾形はキロランンケと共に杉元を裏切り、アリシパをさらう計画を密に立てていた。
計画では網走でのっぺら坊を殺害する予定だったが、尾形の判断でのっぺら坊と杉元まで銃撃したのです。
のっぺら坊は死亡し、さすがの不死身の杉元は生き残りました。
キロランケから杉元まで撃つ必要はあったのかという質問に対して、のっぺら坊が杉元と会話しているのを見てキロランケの目的や正体を明かしたのではないかと推測してと答えた。
しかし後になってわかった事は、この先杉元は邪魔になるかもしれないという事からアリシパと杉元を切り離しておきたかったようです。
本当に残忍で手段を選ばない人物ですね。
ゴールデンカムイ:尾形の目的や最後を考察!
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— あんころもち (@Annkoro_0128) July 18, 2022
物語の終盤になり最後の最後で尾形の本当の目的が明らかになってきました。
尾形の最後にとった行動などについて解説、考察しいきたいと思います。
鶴見中尉を引きずり下ろし師団長になる目的
金塊、そして土地の権利書の争奪戦は最終局面の暴走列車で決着がつくのです。
暴走列車で尾形と鶴見は久々に再開し、最後の対決になった。
ここで尾形の本当の目的が明らかになります。それは鶴見を第七師団長から引きずり落とし、自分が師団長になる事が目的だったのです。
尾形の役割は中央政府のスパイで鶴見の暴走を監視すること。スパイとして反乱分子である鶴見一派を全滅させ、おまけに土地の権利書まで手に入れる。
それだけの条件が揃えば中央政府の『奥田閣下』も十分納得してくれるはず。そして尾形を師団長にするくらい安いもの。
尾形はこんな生まれた事すら祝福されていない、両親の愛もうけて来なかった自分でも師団長になれるという事を証明したかったのでしょう!
鶴見は尾形に対して「第七師団長なんぞ偽物でも成り上がれると証明したいのだろう」と表現していました。
亡霊勇作の出現は裏切り・目的への罪悪感?
尾形は暴走列車でアリシパの毒矢をくらいます。尾形は毒矢を抜きアリシパに向けて銃を構えたのです。
いつもの尾形なら迷いなく発砲するのですがなかなか撃って来ません。尾形は急に「邪魔ばかりしやがって」と独り言を言い始めます。
尾形が話している相手は、過去にも度々アリシパを銃撃しようとした時に出てきた『勇作の亡霊』だった。
実際には亡霊では無く、尾形が今まで向き合おうとしなかった自分の中にある『罪悪感』であると内なる尾形が言ったのです。
ここから内なる尾形との会話が続きます。
内なる尾形は決定的な事を投げかけます。「欠けた人間なんかじゃなく、欠けた人間に相応しい道を選んできたのでは?」この内なる言葉が尾形のすべての想いを語ったのでは無いかと思います。
両親から愛されなかった自分の存在理由を求めて、欠落した人間なら殺人への罪悪感はないと言い聞かせてきたのに、本当は罪悪感を抱えていたと気づいてしまい、これ以上考えると今まで自分が生きてきたすべてを否定することになる。
恐らく最後まで尾形が罪悪感と向き合ってこなかったのはこのような理由からだと推測します。
最後に自害した理由
内なる尾形と自問自答を繰り返していく中、尾形は内なる自分に「罪悪感などは存在しない」と必死に否定を続けます。
否定し続ける尾形に、最後は子供の姿の尾形が登場し「良かったなあ」と声をかけました。
もうこれ以上自分の生きてきた道を否定することは出来ないと判断したのか、尾形は自身の左眼に銃口を向けた。
そこで再び勇作が登場し、「兄様は祝福されて生まれた子供です」と拳銃に手を添えてきたのです。
勇作がとどめとも言える一言を発して、尾形はすべてを否定されたので諦めがついたかのように笑顔になりました。
最後の弾は頭部を貫き、笑顔の尾形と爆笑する勇作は落下する尾形に絡みつくように列車から落ちていったのです。
尾形が最後に自害した理由は、もうこれ以上罪悪感を否定し続ける事に疲れ、自分の今まで生きてきた事をこれ以上否定される事が耐えられなかった結果、最後の勇作の言葉で決心がついたのでしょう。
これまでの尾形が行ってきたすべての行動が、最後に理解出来たように思えます。
まとめ
今回は人気キャラクターの尾形について解説していきました。
最初はこいつ何がしたいの?って感じでしたが、最後はこのように苦しんでいたのかと思うと、とても感動しました。
これを知ってもう一度作品を見るとまた違った尾形の見方が出来て楽しくなると思います。
秋からのアニメは尾形に注目して観ていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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