ゴールデンカムイに出てくる『土方歳三』
新選組「鬼の副長」で知られた旧幕府の侍で、入れ墨を持つ脱獄囚の一人である。
長い白髪に、高齢とは思えない高い身体能力と精神的若さを持っている。
唯一のっぺら坊から金塊についての詳細を聞かされているリーダー的存在で、のっぺら坊の策略に乗り囚人たちを引き連れ脱獄計画の先頭に立った人物。
仲間となれば絶対に裏切る事が無い情に熱い男だが、敵と判断した際は容赦のない攻撃を与える。
今回はそんな土方歳三が金塊を探す目的や、最後の五稜郭での第七師団との激しい戦いでどのような最後で死亡したのか、そして杉元に託した刀について解説していきます。
ゴールデンカムイ:土方歳三が金塊を探す目的を解説
ここでは土方が何故金塊を争奪戦にてあれほど金塊に執着しているのか。金塊を探す目的について解説していきます。
土方の目的は蝦夷共和国を作る為
金塊争奪戦には土方、杉元、鶴見と大きく分けて3派閥で争奪戦を繰り広げている。
そして土方が金塊を狙う目的は『蝦夷共和国』の復活のためであった。
土方が考えた蝦夷共和国とは、金塊を元手にして北海道を独立させることである。独立させた後に北海道の林業中心の経済基盤から、炭鉱業に移す事であった。
それにはやはり膨大な資金が必要となる。そこで土方が目をつけたのがアイヌの埋蔵金であった。
極東の少数民族やロシア人と共存してきたアイヌならば他民族との『つなぎ』になることが可能だと考え、炭鉱業の開発に関しては移民を中心に行う計画をした。
要するに北海道を独立させて海外から移民を募り多民族国家を築く。海外からの移民に対してはアイヌがつなぎ役となり、炭鉱業を繁栄させる事が土方の目的だったのです。
日本や仲間の為に戦う
国力を経済的に豊かにし、最終的に蝦夷共和国はロシアの南下から本州を守る緩衝国にする事。
日露戦争に勝利したものの、ロシアの樺太半分しか日本は得ていない。それではいつロシアが南下してくるかが懸念になってくる。
明治政府に対して限界を感じていた。そこでロシアの南下を防ぐ為に蝦夷共和国を設立したのです。
榎本武揚は日本とロシアが近すぎる事に危惧していた。そのため緩衝国である蝦夷共和国を設立するも、財源的な不足によって途中断念した。
土方は日本をロシア南下から防ぐ為に、ロシア南下を防ぐ多民族国家を構想しているのです。
土方は個人的な事で金塊を狙うのでは無く、金塊を獲得しそこから国のために戦っていく覚悟だった。
のっぺら坊の目的に一番近かった
土方はのっぺら坊と同じ網走収監時に唯一金塊の詳細を聞いている人物であった。
のっぺら坊が金塊を求めた目的は、北海道だけを独立させて樺太島と極東ロシアは希望者を募り移民させようと計画していた。
これは土方が考えている蝦夷共和国の考えと非常に近い目的であった。
なのでのっぺら坊は土方だけに唯一自身の金塊の詳細を教えたのではないかと考えられる。
ゴールデンカムイ:土方歳三の最後の死亡と託した刀も解説!
ついに土方・杉本一派、そして鶴見一派は刺青人皮の暗号を解くことに成功した。
暗号が記していた場所は五稜郭であった。
ここでは最後の五稜郭での第七師団との戦いから土方死亡までを解説していきます。
五稜郭での最終決戦
ついに土方一派は杉元やアシリパと共に刺青人皮の暗号を解読し、金塊があるとされる五稜郭へと向かった。
同じ頃鶴見中尉達も暗号を解読していたが、先に土方一派が五稜郭に到着していた。
戦闘の人員的には圧倒的に鶴見率いる第七師団が有利と思われていたが、土方は五稜郭で戦うのは2回目であった。五稜郭の戦い方を熟知しているのである。
圧倒的に人員的には不利だったが、この五稜郭で第七師団を迎え撃つ事に決めたのです。
そして土方はもう一つ、五稜郭に最強の助っ人を用意していた。最強の女と言われる『ソフィア』だった。極東連合国家を望む団体120人の援軍である。
そして戦闘の準備を整え、第七師団到着前にまずは目的である金塊を探すことにした。
金塊と権利書を獲得
五稜郭に金塊があるという事は分かったのですが、あの広大な五稜郭のどこにあるかのヒントは土方の刺青の彫られていた『神』の文字であった。
暗号を解いた時に土方の神の文字がちょうど五稜郭の兵糧庫に重なっていた。そこで土方は兵糧庫に必ず何かが埋まっていると判断し兵糧庫を掘った。
すると見事に予想は的中し、掘った穴から大きな箱が出てきた。期待に胸膨らませ箱を開けてみるとその中には金塊では無く『土地の権利書』だった。
土方の神の文字で見つけた兵糧庫には金塊は無く土地の権利書であった。全員の目的である金塊の在り処は門倉の身体に彫られていた『馬』の刺青であった。
それを見た土方はひらめいた!『馬用の井戸』に!
五稜郭にはその昔、馬用の井戸が存在していたのです。その事実を知っているのは昔五稜郭に出入りしていた土方だけ。
土方は門倉の『馬』の刺青を見て馬用の井戸を思い出しその場所を掘ると見事に金塊が出てきた。ついに土方・杉元一派は土地の権利書と金塊を獲得したのでした!
暴走列車で鯉登少尉との激戦
金塊と権利書を鶴見中尉より先に獲得したが、その直前に鶴見中尉率いる第七師団が五稜郭に到着した。
ここから鶴見は金塊と権利書を奪うべく激しい戦闘が始まった。
戦いの最終舞台はブレーキの効かない暴走列車。
暴走列車で土方は第七師団の鯉登少尉と1対1の戦いとなった。鯉登は土方の剣術に圧倒されていた。
土方は鯉登に対して「迷いがあるなら今すぐ降りろ」と言った。
鯉登には迷いが有ること、そして何の目的でこんな危険な戦いをしているのか、迷いがあることが手にとるように土方には伝わったのです。
土方の言葉を聞いて鯉登は何の為に戦っているのかを自問自答した。そして鯉登が出した戦う答えは「みんな為、もっとたくさんの誰かの為、勝たないと」と覚悟を決めた。
覚悟を決めた鯉登を見て土方は「よし、かかって来い」と言って、そこから激しい戦いとなった。
全ての思いを杉元に託した
暴走列車では杉元達も激しい戦いをしていた。そして土方と鯉登の戦いも激しさを増していった。
激しい戦いの中、土方はついに鯉登の刀を折った。土方勝利かと思った瞬間に折れた刀をそのまま土方の頭に突き刺した!
勝負は鯉登の勝利であった。土方は薄れゆく意識の中で昔の新選組時代の事を思い出していた。
新選組の若い頃の自身と杉元が重なって見えた。この時土方は自身の意思を杉元に託すことに決めた。
土方は杉元に自身の刀を渡し「持っていけ・・きっと役にたつ。義に命をかける似たもの同士、私の受けた恩くらいは託させてくれ、金塊と権利書は和人とアイヌも救われるように」と言って同じ意思をもった杉元に渡した。
そして最後は戦友である『永倉新八』に支えられながら死亡したのでした。
土方の刀は榎本武揚への通行証となった
土方によってきっと役に立つと言われた刀は、実際に榎本武揚との面会時に役にたった。
杉元は金塊争奪戦後に土地の権利書が本当に六カ国の公使が条約を承認した権利書である事を証明するために榎本武揚に協力をお願いした。
榎本は杉元達がこの刀を持っていなければ会おうとも思わなかったと語っていた。
榎本は「私の家の門を通る通行証になると思って杉元君に託したんだな」と語っていました。
土方は権利書と金塊を日本の未来のため、アイヌの未来のためにと思い杉元に刀を渡した。そして刀が榎本への通行証になると考え、きっと役に立つと言った。
その後榎本は権利書はデタラメな物では無いと政府に証明してくれた。
アシリパは権利書を使い生涯政府と交渉を続け、権利書の土地はすべてではないが昭和初期に国立公園などに指定された。
和人やアイヌの未来を権利書と金塊によって明るく切り拓いたのです。
土方の意思は全てではないが、しっかり杉元、アシリパによって引き継がれたのでした。
まとめ
今回は土方歳三の目的や最後について解説していきました。
惜しくも最後に死亡してしまいましたが、最後は杉元に同じ義をもった似たもの同士という事で自身の意思を継いでくれるはずと思い刀を託した。
そして杉元達はその意思をしっかり引き継いでくれました。
アイヌの未来を切り拓いたのは土方の刀と言っても過言では無いと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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