今年もついにやってきました。年末恒例のM-1グランプリ!
人生を変えようと数多くの芸人が挑むM-1も今年で18回目となり、今年のエントリー数は過去最多の7261組となりました。
去年の2021年は最年長の『錦鯉』が見事優勝をし感動しましたね。
しかしM-1チャンピオンの中でも優勝後ブレイクしたコンビとそうでないコンビがハッキリ分かれているように思えます。
今回はM-1でブレイクした芸人としなかったコンビを紹介し、その理由についても解説していきます。
M-1でブレイクした芸人ランキング
ここではM-1でブレイクしたコンビを紹介していきます。優勝しなくてもブレイクしているコンビも存在しますので、見ていきましょう。
2004年王者アンタチャブル
まずはM-1優勝によってブレイクした『アンタッチャブル』
山崎の連発するボケに対して激しくツッコむ柴田の漫才は非常に面白く、圧倒的な笑いの量で2004年のM-1王者に輝いた。
王者になる前からテレビには少し出ていたが、M-1優勝後は更にメディアの露出も増え、一気に人気者となった。
このコンビの特徴はとにかくフリートークに強い。特に山崎はどの番組に出てもボケまくり、いつも笑いの中心となっている。
柴田は的確なツッコミや動物ネタで笑いを誘う。
一時はコンビでの活動を休止していたが、現在は復活しコンビとして今現在も活躍している。
M-1をきっかけに才能を開花させたコンビである。
2004年準優勝南海キャンディーズ
M-1で見事大ブレイクしたコンビといえば『南海キャンディーズ』ですね。
全く無名から突如現れた謎の男女コンビ。ネタも斬新だったが、2人の強烈なキャラクターに皆が虜になった。
特にしずちゃんのキャラは強烈すぎて一気に会場を笑いの渦にした。
そしてツッコミの山ちゃんの的確なツッコミは非常に見事でした。
2人は一気に最終ラウンドにコマを進めたが、惜しくもアンタッチャブルに敗れた。しかし南海キャンディーズの勢いはM-1終了後も収まらず、その後もメディアに引っ張りだこだった。
今ではやっと山ちゃんの笑いのレベルが高い事が認められ、山ちゃんがメディアに出ることがほとんどである。
南海キャンディーズの準優勝から、2位が売れると言われだしたのではないかと思われます。
2005年王者ブラックマヨネーズ
関西のしゃべくり漫才の代表と言っても過言ではないほどのクオリティーを持つ『ブラックマヨネーズ』
私個人的な意見ですがM-1史上でも1位なくらい面白い漫才であった。
関西では知名度が高かったブラックマヨネーズでしたが、東京ではまだ無名の状態でM-1決勝に進出した。
見た目は肌がブツブツの吉田と、髪の毛が薄い小杉で、ビジュアルはお世辞にもよいとは言えないコンビであった。
しかし漫才が始まるとこの2人の掛け合いは見事であった。
2人の言い合いは爆笑を誘い、誰が見ても圧倒的な実力であった。そしてM-1優勝によって彼らの実力は全国に認められ、その後メディアにどんどん出てきた。
彼らの優勝によって一時期関西の芸人はほとんどがブラックマヨネーズのようなケンカ漫才を真似するほどであった。
吉田のひねくれた笑いと、小杉の面白いワードなどで一躍人気者となり、ブラックマヨネーズは今でもテレビにしっかり出ている。
M-1によって実力を全国に知らしめたコンビである。
2007年王者サンドイッチマン
敗者復活から見事に決勝に進出し、その後圧倒的な笑いをとって優勝した『サンドイッチマン』
彼らもM-1優勝前まではほぼ無名のコンビであった。
M-1によって一番ブレイクした芸人は恐らくサンドイッチマンがぶっちぎりで1位である。
今までなぜ売れてなかったのかと言うほどの漫才のクオリティーだった。
2人の見た目は爽やかからはかけ離れていたが、その見た目のギャップも彼らの強みである。
M-1優勝後も好きな芸人ランキングにはいつも上位で、未だに人気は衰えない。
2人の見た目と違った人間性が、根強い人気を支えているのでしょう。
2008年準優勝オードリー
2008年に敗者復活枠から見事決勝にいったオードリー。まだまだメディアでの露出も少なく、知っている人はお笑い好きの人くらいであった。
ほぼ無名のコンビであったが、彼らの最初も衝撃的であった。
何と言っても春日の独特のキャラクターが目立った。しかしこの頃からツッコミの若林の才能は開花していた。
ツッコミでしっかり笑いを完結させる見事なネタであった。最終ラウンドでは惜しくもNON STYLEに敗れたが、世間の関心は完全にオードリーにあった。
優勝したNON STYLEより完全にオードリーがメディアに出ていた。
無名からの突如現れたキャラ強めはインパクトが大きいので、メディアへの露出は多くなる。
オードリーは最初だけの一発屋に終わるかと思われたが、若林の才能が世間にしっかり認められ、今では冠番組を持つまでスターになっている。
オードリーの2位で完全にM-1は2位が売れるは定着した。
2010年準優勝スリムクラブ
2010年に全くの無名で決勝に進出したスリムクラブ。M-1史上最高の衝撃的な漫才であった。
今まで見たこともないスローテンポで、ネタもぶっ飛んでいたがかなり笑えた。
またしても無名から現れたキャラ強めのコンビであった。
そしてキャラ強めのコンビはまた2位で終わった。その後は優勝した笑い飯よりスリムクラブがメディアに出まくっていた。
しかしその後はキャラで売っていたスリムクラブは徐々にメディアにでる事も減っていった。
やはりしっかりとしたトークが出来なければ、売れ続けることは厳しい世界なのでしょう。
M-1王者でもブレイクしなかったコンビ
ここでは見事M-1王者になったにも関わらず、その後の活躍はイマイチなコンビについて解説していきます。
2002年王者ますだおかだ
ますだおかだは第1回から出場し、第2回で見事王者に輝いた。
関西のしゃべくり漫才の基本のような漫才であり、正統派な漫才師である。
しかしM-1当初のレベルはお世辞にも高いとは言えない。今のレベルからすればかなり低いと思われる。
ますだおかだのネタで今のM-1に参加すれば、恐らく決勝にも残れないであろう。
ますだおかだに関しては、漫才も微妙だがなんと言ってもフリートークもイマイチである。
どちらかと言うとツッコミの岡田のキャラのほが目立っており、ボケの増田はキャラも薄くトークもそれほど得意とは思えない。
漫才としても、そしてバライティ芸人としてもイマイチなますだおかだは、やはりイマイチ売れていないのです。
2009年王者パンクブーブー
パンクブーブーはチュートリアル以来、2回目の審査員全員の満場一致の優勝者でした。
漫才は非常に面白く、ネタのクオリティはかなり高いと言えるでしょう。満場一致の判定も納得できるほどの漫才の実力でした。
その後は『THE MANZAI』でも優勝しており、漫才だけ見るとこんごはかなり期待のできるコンビでした。
しかしM-1優勝後はイマイチな活躍で、今ではメディアに出ることはほとんどありません。相方の黒瀬はピンでたまにテレビで見る感じです。
なぜあれほどの漫才の実力がありながらメディアには出てこないのか?
それは完全にフリートークのレベルの低さでしょう。そして何より2人のキャラが弱い事です。
M-1のネタは4分間作り込んだネタで笑いを取り、チャンピオンを決定します。
しかしフリートークやひな壇では一瞬の返しなどが重要になってきます。パンクブーブーはそこの一番大事なフリートークが非常に弱い。
いくら漫才が面白くてもフリートークが弱ければ、いくら王者になってもその後は消えていきます。
2015年王者トレンディエンジェル
2015年に王者に輝いたトレンディエンジェル。2015年はM-1が再び5年ぶりに復活した最初の大会である。
はっきり言ってトレンディエンジェルが優勝したのは何故かといまだに不思議なくらいである。
漫才のネタのクオリティも低く、ボケ、ツッコミ共に上手とはお世辞にも言えない。ハゲネタのキャラクター押しでレベルは低い。
そして現在ではメディアの露出も少ない、もちろん冠番組などは皆無である。もっとも王者らしくない王者である。
そして何よりこの年の審査員は今までと全く違った、過去の歴代王者だった。
今までは島田紳助や松本人志など、昔の漫才から今の漫才を知り尽くした、笑いの王者のような面々が審査員だった。
しかしこの年は歴代王者という少し審査員のクオリティが低く感じた。
過去の審査基準でいけば確実にトレンディエンジェルは王者に輝けなかっただろう。
2016年王者銀シャリ
2016年王者の銀シャリは、前年の2015年にM-1初登場を果たしました。
銀シャリの特徴は、ボケ1人で笑いが成立するのではなく、ツッコミの橋本の手数で笑いを完結させるスタイルである。
ボケで笑いをとるというよりは、ツッコミで笑いを取っていくスタイルである。
橋本の流れるようなツッコミは、数多くのツッコミ芸人の中でも指折りの才能を持っている。
ネタ自体はそれほど目を見張るものではないが、橋本の連発するツッコミが笑いを誘う。
しかし優勝後はメディアにあまり出ることはなく、それほど売れている印象は無い。東京に進出しても東京での仕事も優勝後それほど増えてもいない。
考えられる原因の1つに、彼らの古臭い見た目とスタイルである。昭和の漫才師を連想させるような青いジャケット、そして顔立ちが古臭い。
何より笑いの取り方がツッコミで笑いを取るので、ひな壇やフリートークではなかなか発揮しずらいのであろう。
漫才自体は非常に面白いが、ネタを作り込んで披露するのが漫才である。フリートークはその場の瞬発力と印象に残るキャラクター性も大事になってくる。
そう考えると銀シャリはキャラが古く印象に残りづらい。だからイマイチ売れておらず、今ではテレビで見かけることもないのでしょう。
2017年王者とろサーモン
2017年に王者に輝いとろサーモン。ボケの久保田のひねくれた感じが特徴である。
ツッコミの村田は久保田の強烈なキャラによって印象が薄いが、実はツッコミとして非常に優秀な才能の持ち主だと思われる。
言葉のチョイスなどもセンスが良く、久保田のボケをしっかり引き立たせている。
優勝後はメディアの露出も多かったし、久保田の嫌われキャラで人気もうなぎ登りであった。
しかし彼らの最大の事件は、M-1審査員への誹謗中傷で炎上した事である。
あの事件をきっかけにとろサーモンのメディア露出は激減した。それからテレビで見ることも少なくなり、人気も一気に急降下だった。
しかしここ最近では、久保田の嫌われキャラが定着しており、メディアの露出も増えているが、村田はあまり出ていない。
王者としての品格などの面からとろサーモンは王者らしくないと世間に思われているのであろう。
漫才もフリートークも実力はありながら、あの事件によってメディアでの露出も減り、イマイチ売れてない印象が強いのです。
2019年王者ミルクボーイ
2019年はM-1過去最高のレベルと言われた年である。その激戦区の中で見事優勝したコンビがミルクボーイであった。
2番手に出てきた『かまいたち』が圧倒的に笑いをとり、確実にかまいたちの優勝と思っていたが、7組目に出てきた全く無名のミルクボーイが奇跡を起こした。
M-1史上最高得点を叩き出し、ほぼ満場一致の優勝であった。
しかしその後はあまりメディアの露出もない。いまではほぼテレビで見ることもない。
彼らのネタは型にはめた感じのネタである。しゃべくり漫才ではない。そういった意味からトーク自体は得意としていない。
そして彼ら自身もテレビでフリートークをしたり、テレビの売れっ子タレントになる目標もない。
彼らは漫才が純粋に好きで、劇場で漫才をすることを目的としている。普通のコンビは優勝しその後メディアで売れっ子にになることが目標である。
しかし彼らはメディアでは無く劇場を選んだ。なのでミルクボーイは東京に進出もしていない。
大阪を拠点として劇場で活躍している。
ミルクボーイは自ら売れない道を選択したのです。
M-1王者でもブレイクしなかった理由
ここではM-1王者になったけれど売れなかった理由についてまとめてみました。
売れていないコンビの共通点などについて解説していきます。
4分の漫才とフリートークは全く違う才能
M-1では4分の漫才という作り込んだネタによって評価されていく。何度もネタ合わせを行い修正しながら長い月日をかけて最高の出来上がりでM-1に向かう。
しかしテレビでのフリートークはその場の瞬発力が物を言う。
ネタの面白い芸人が、優勝できたんだけどM-1はあくまでも4分のテレビネタ。普通のテレビ番組の求めるのは、MCの力やひな壇のコメント。
特にミルクボーイのような漫才は非常に面白いし、あの発想は天才的なネタである。しかし型にはめた漫才は作り込みでできている。
なのでどうしてもフリートークになれば爆発的に爆笑をとることは難しい。
漫才がいくら面白くても、フリートークの場でしっかり笑いを取ることが出来なければメディアの露出は減るのが当然である。
M-1王者でブレイクしていないコンビの共通点はやはりフリートークが弱いところがある。
インパクトが弱かった
次に考えられるのは、キャラのインパクトが弱かったのもある。
オードリーや南海キャンディーズのような初めて見たときのインパクトが無い。
どうしても見た目やキャラが地味であり、世間のインパクトに残りにくいのもある。
特に若い人はキャラのインパクトによって注目する事が多くなる。
ブレイクしていないコンビはどうしてもインパクトが弱く、これと言ってキャラが無いのが特徴と言えるのです。
大会自体のレベルが低かった年の王者
ブレイクしていないコンビの中では、大会自体のその年のレベルが低く、運良く優勝したところもある。
ミルクボーイやパンクブーブーはレベルの高い漫才であったが、ますだおかだ、トレンディエンジェル、銀シャリ、とろサーモンの年はレベルが低い年と感じた。
なのでレベルが低い年に優勝したコンビはやはり実力もイマイチであるため、優勝後もブレイクは出来ない。
運は良かったが、世間は面白いと認めておらずブレイク出来なかったのでしょう。
まとめ
今回は王者でもブレイク出来なかったコンビと、なぜブレイク出来なかったのかについて解説していきました。
結局はネタが面白いではなく、テレビ向きの芸人がブレイクすると言う事なのです。
なので優勝しても売れる売れないはその後のトーク力などにかかっているということでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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